ピキャンオーブン(ベーカーズオーブン)/PECAN OVEN
●薪ストーブでありながら、料理をこなす本格派
数ある種類の薪ストーブの中でもこのようなタイプは、まれな存在なんです。
薪ストーブと呼ぶより、クッキングストーブと呼ばれていることもあります。
上下の2層構造になっていて、上段が薪を燃やす燃焼室、下段がオーブン室となっています。
このオーブン室の機能こそがこのピキャンオーブンの最大の魅力でもあります。
薪ストーブユーザーのみが味わえる、薪・炎・熾き火などを使ったなんとも贅沢な料理もできるし、手軽に子供のおやつにクッキーやパンやピザなどがこのオーブンでできます。
ピキャンオーブンは、このオーブン室だけでなく、そのスタイリッシュなデザインも特徴ですね。
外観にひとめぼれする人もいるくらいです。
シンプルだからこそ飽きがこないデザイン。
それは使い勝手も同様です。
ボディは鋼板の素材を採用。
外観は一見鋼板独特の冷たい印象を受けますが、そこにラメ入りの光沢のある耐熱塗装が施されています。
見れば見るほどキラキラと美しく光沢があるんです。
見た目は高さのボリュームがあるため、最初は、思ったより大きい印象を受けるかもしれませんね。
このピキャンオーブンにひとたび火をいれると、鋼板を通過してくる遠赤外線がすごい。
これがそのまま暖房のパワーと考えるならば、まさに一石二鳥の心強いストーブです。
また、薪ストーブ本体定価も¥357,000(税込)と非常にお手ごろな価格も魅力的です。煙突部材、工事費は別途となります。(要見積)
●燃焼方式や構造 等について
薪ストーブとしての機能では、ピキャン社独自のクリーンバーニング方式を採用しているところです。
1次側の燃焼空気は上段炉のダイヤルで給気の量を調整します。
2次側の燃焼空気は上段扉上部の隙間から空気を供給しています。
また、天板にはダンパーレバーがついており、このダンパーレバーを操作することにより炉内を流れる煙の流れを切り替えることができます。
通常、着火時の焚付けの際や薪を継ぎ足して投入した際には、ダンパーを開放します。
煙の流れが直接煙突へ向かう仕組みとすれば排気はよりスムーズとなります。
また、オーブン室を使用したいとき、または燃費や効率を良くしたいと考えたときには、ダンパーを閉めます。
そうすることにより、煙の流れが、炉の内部を循環する仕組みに切り変わり、下段のオーブン室へ流れ、その熱により暖房面積も増え、より効果的になります。
ここで見た目のボリュームが生かされるわけですね。
ただし、ダンパーを閉める際には、燃焼室の薪の状態や温度の管理・把握する必要があります。
●ピキャンオーブンの扉
ピキャンシリーズの特徴のひとつとして扉があげられます。
扉は鋳物を採用しています。
鋳物は熱を蓄熱してくれるし、ピキャンオーブンの鋼板のボディの扉に鋳物を使用するとはなんともセンスを感じますね。
オーストラリアでのブランド名であるNECTREのロゴ入りです。
また、同じピキャン社のネクター15と部品を共有することにより生産の効率化を図っています。
●給気のダイヤル
使い勝手を追求したシンプルなデザイン。右がOPENで左がCLOSE 実にわかりやすいですね。
専用付属品のレバーを使用すれば火傷の心配もなく安心。
ガラスはもちろん耐熱ガラスを使用しています。
●取手
よく使い慣れた薪ストーブユーザーでも、薪をくべる際はストーブ用グローブを使用するのが安全の必須条件となりますが、この取手熱くなりにくい構造になっています。
思わず触ってしまいそうに、出来心を擽られてしまいそうです。
●クッキングストーブとしての機能
天板は意外と広く、やかんでお湯を沸かしたりダッチオーブンを載せて煮込み系の料理やスープ・シチュー
をしたりと便利に使うことができます。たまにはご飯を炊いてみるのも良いかもしれませんね。
炉内とボディ外側は鋼鈑一枚で仕切られているので、天板の温度は高温になるので、トリベットなどを利用することをオススメします。。
トリペットの例
また、天板には丸い蓋が2つ付いています。丸い蓋(トッププレート)は燃焼時でも外すことができます。
これは高温・直火が必要な料理の際に使用できます。
ピキャンオーブンがクッキングストーブと呼ばれることがあるのは納得です。
※ただし、丸い蓋(トッププレート)を開ける際は煙や炎が逆流しないようにダンパーを開放する必要がありますので、ご注意を。
●上段の薪
薪は炉内に横に置くのでしたら、およそ30cm。少し窮屈ですが、斜めにくべるのならば 33cm がベストとでしょう。本数は30cmの薪(中~大割薪)x3本程度が目安となります。
炉の中には、アッシュベットをあらかじめ作っておくとより効果的ですよ。
※アッシュベット・・・熾き火や灰を炉のなかにある程度溜めておくこと。炉の保護及び保温効果が期待できる。
●上段の炉(内部)
炉内の有効寸法は 約W335xD275xH390mm。
専用の耐火レンガが使用されています。炉の中を保護する目的と蓄熱する役割があります。
割れてしまうようなことがあれば定期的に交換が必要でります。
1本 ¥1,050-(税込)で購入できるので、手軽に交換可能です。
●下段のオーブン室
オーブン室には付属品として、オーブントレイが1枚とオーブングリル(アミ)が1枚づつ付いています。。
また、オーブン室内の温度をより正確に確認するために、オーブン用サーモメータもあります。
オーブン室内をのぞいて見ると、高さが2段階で調整できるようになっていますね。
当然、炉内でも温度むらはあるし、上部のほうが温度が高くなる傾向があります。
給気・燃料の薪・温度管理などすべての条件を考慮した上で、ピキャンオーブンを使い込んでください。
■薪ストーブ料理
ピキャンオーブンの最大の魅力は薪ストーブ料理です。
メトスナゴヤで作った料理を並べてみました。
料理の様子は、それぞれ記事にしてあるので、ぜひ参照してくださいね。
また料理に欠かせない温度管理についてはサーモメータを使用すると良いでしょう。
オーブン内温度計 ¥3,300 (税別)
ピキャンオーブン用専用耐熱塗料 ¥5,000(税別)
天板で料理をするならメトスサーモメータも利用できる。
薪ストーブ用温度計 TM-C-75 ¥4,500(税別)
ココット・スウィートポテト
ミニピザ・アップルパイ
※価格はすべて税別です。