徹底解説 ピキャンオーブン

徹底解説 ピキャンオーブン

この記事は、「薪ストーブの達人BLOG by METOS NAGOYA」 2011年2月1日に掲載されたものです。
一部、情報が古い場合があります。予めご了承ください。

●薪ストーブでありながら、料理をこなす本格派

数ある種類の薪ストーブの中でもこのようなタイプは、まれな存在です。
薪ストーブと呼ぶより、クッキングストーブと呼ばれていることもあります。
上下の2層構造になっていて、上段が薪を燃やす燃焼室、下段がオーブン室となっています。
このオーブン室の機能こそがこのピキャンオーブンの最大の魅力でもあります。
薪ストーブユーザーのみが味わえる、薪・炎・熾き火などを使ったなんとも贅沢な料理もできるし、
手軽に子供のおやつにクッキーやパンやピザなどがこのオーブンでできます。

ピキャンオーブンは、このオーブン室だけでなく、そのスタイリッシュなデザインも特徴ですね。
外観にひとめぼれする人もいるくらいです。
シンプルだからこそ飽きがこないデザイン。
それは使い勝手も同様です。

ボディは鋼板の素材を採用。
外観は一見鋼板独特の冷たい印象を受けますが、
そこにラメ入りの光沢のある耐熱塗装が施されています。
見れば見るほどキラキラと美しく光沢があるんです。

見た目は高さのボリュームがあるため、
最初は、思ったより大きい印象を受けるかもしれませんね。

このピキャンオーブンにひとたび火をいれると、鋼板を通過してくる遠赤外線がすごい。
これがそのまま暖房のパワーと考えるならば、まさに一石二鳥の心強いストーブです。

また、薪ストーブ本体定価も¥340,000(税別)と非常にお手ごろな価格も魅力的です。
煙突部材、工事費は別途となります。(要見積)

●燃焼方式や構造 等について

薪ストーブとしての機能では、
ピキャン社独自のクリーンバーニング方式を採用しています。
1次側の燃焼空気は上段炉のダイヤルで給気の量を調整します。

 2次側の燃焼空気は上段扉上部の隙間から空気を供給しています。

また、天板にはダンパーレバーがついており、
このダンパーレバーを操作することで炉内を流れる煙の流れを
切り替えることができます。

通常、着火時の焚付けの際や薪を継ぎ足して投入した際には、ダンパーを開放します。煙の流れが直接煙突へ向かう仕組みとすれば排気はよりスムーズになります。

また、オーブン室を使用したいとき、または燃費や効率を良くしたいと考えたときには、ダンパーを閉めます。
そうすることにより、煙の流れが炉の内部を循環する仕組みに切り変わり、下段のオーブン室へ流れ、その熱により暖房面積も増え、より効果的になります。
ここで見た目のボリュームが生かされるわけですね。
ただし、ダンパーを閉める際には、燃焼室の薪の状態や温度の管理・把握する必要があります。

●ピキャンオーブンの扉

ピキャンシリーズの特徴のひとつとして扉があげられます。
扉は鋳物を採用しています。
 鋳物は熱を蓄熱してくれるし、ピキャンオーブンの鋼板のボディの扉に
鋳物を使用するとはなんともセンスを感じますね。

ブランド名であるNECTREのロゴ入りです。
また、同社のネクター15と部品を共有することにより生産の効率化を図っています。

●給気のダイヤル 

 使い勝手を追求したシンプルなデザイン。右がOPENで左がCLOSE 実にわかりやすいですね。

 専用付属品のレバーを使用すれば火傷の心配もなく安心。
ガラスはもちろん耐熱ガラスを使用しています。

●取手

よく使い慣れた薪ストーブユーザーでも、薪をくべる際はストーブ用グローブを使用するのが
安全の必須条件となりますが、この取手熱くなりにくい構造になっています。
思わず触ってしまいそうに、出来心を擽られてしまいそうです。

●クッキングストーブとしての機能

 天板は意外と広く、やかんでお湯を沸かしたりダッチオーブンを載せて
煮込み系の料理やスープ・シチューをつくったりと便利に使うことができます。
たまにはご飯を炊いてみるのも良いかもしれませんね。
炉内とボディ外側は鋼鈑一枚で仕切られているため、天板の温度は高温になるので、
トリベットなどを利用することをオススメします。。

トリベットの例

その他のトリベットはコチラ

また、天板には丸い蓋が2つ付いています。丸い蓋(トッププレート)は燃焼時でも外すことができます。
これは高温・直火が必要な料理の際に使用できます。
ピキャンオーブンがクッキングストーブと呼ばれるのは納得です。
※ただし、丸い蓋(トッププレート)を開ける際は煙や炎が逆流しないようにダンパーを開放する必要がありますので、ご注意を。

●上段の薪

 薪は炉内に横に置くのでしたら、およそ30cm。少し窮屈ですが、斜めにくべるのならば33cmがベストでしょう。
本数は30cmの薪(中~大割薪)3本程度が目安となります。
 炉の中には、アッシュベットをあらかじめ作っておくとより効果的ですよ。

※アッシュベット・・・熾き火や灰を炉のなかにある程度溜めておくこと。炉の保護及び保温効果が期待できる。

●上段の炉(内部)

 炉内の有効寸法は 約W335×D275×H390mm。
専用の耐火レンガが使用されています。炉の中を保護する目的と蓄熱する役割があります。
 割れてしまうようなことがあれば定期的に交換が必要でります。
1本 ¥1,050-(税別)で購入できるので、手軽に交換可能です。

●下段のオーブン室

オーブン室には付属品として、オーブントレイとオーブンラックが付いています。。
また、オーブン室内の温度をより正確に確認するために、オーブン用サーモメータもあります。
オーブン室内をのぞいて見ると、高さが2段階で調整できるようになっていますね。
当然、炉内でも温度むらはあるし、上部のほうが温度が高くなる傾向があります。
給気・燃料の薪・温度管理などすべての条件を考慮した上で、ピキャンオーブンを使い込んでください。

■薪ストーブ料理

ピキャンオーブンの最大の魅力は薪ストーブ料理です。
メトスナゴヤで作った料理を並べてみました。
 料理の様子は、それぞれ記事にしてあるので、ぜひ参照してくださいね。
また料理に欠かせない温度管理についてはサーモメータを使用すると良いでしょう。

オーブン内温度計 ¥3,300 (税別)

ピキャンオーブン用専用耐熱塗料 ¥5,000(税別)

天板で料理をするならメトスサーモメータも利用できる。

 薪ストーブ用温度計 TM-C-75 ¥4,500(税別)

ピキャンオーブン(オーストラリア)/輸入元 株式会社メトス ※価格はすべて税別です。