徹底解説 ドブレヴィンテージ50
この記事は、「薪ストーブの達人BLOG by METOS NAGOYA」 2012年6月29日に掲載された記事を再編したものです。
一部、情報が古い場合があります。予めご了承ください。
今回、登場するのは、ドブレ社、渾身のニューモデル ヴィンテージ・シリーズから
ヴィンテージ50のインプレッションを報告します。
始めにドブレヴィンテージ兄弟を紹介しましょう。
ヴィンテージ50と35のドブレブラックが9月から発売ラインナップ機種となります。
メトスナゴヤのヴィンテージ50は、なんとエナメルグリーン(空豆色?)なんです。
こんなにPOPでキュートなバージョンもあるんです。
(※現在はエナメル色はエナメルホワイト(受注輸入)のみとなります)
■フォルム
□立ち姿
見た瞬間、心を奪われてしまいました。
VINTAGEとはよくいったものです。
このフォルムに懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか?
□正面扉
大きな耐熱ガラスは鋳物扉枠に対して外側付です。
ヴィンテージをより鮮烈に印象づけてくれる顔となっています。
□取手
ステンレスの無垢材を球体に削り出しています。
40mmφはとても握りやすく、ユニバーサルデザインを踏襲しています。
(誰ですか?ドラエモンのシッポなんて言う人は(笑))
□大きな炉(燃焼室)
炉内有効寸法 W560mm×D280mm×H260mm(中心部)
50cm超の薪でも余裕で投入することができます。
□炉の構成
炉内は背面・側面・バッフル部 4面が肉厚のバーミキュライト。
底面は鋳物のグレートで構成されています。
まるで寄木細工のように組み合わさっています。
(バッフルにいたっては、厚みt=50mm以上あります。)
□扉
ラッチ式です。取っ手・扉・ラッチの食込む感触・質感がすごく心地良いので、扉の開閉が楽しくなります。
□脚
一見、華奢に見えますが、鋳物素材で堅牢です。つま先は、取っ手と同じく
ステンレスの削り出し、セパレートパーツでレベル調整が可能です。
銀のソックスを履いているみたいです。
機能とデザインの調和がお見事です。
(こんな手間なこと思いついて、実践しちゃうドブレ社ってちょっと素敵ね)
□給気レバー
A、正面左側 下部レバー
炉床ロストルから流入する給気ラインです。
6時の位置が開・9時の位置が閉です。
B、正面右側 下部レバー
背面AIRチャンネルを経由し、炉の正面上部からエアーカーテンとなって流入する給気ラインです。
6時の位置が開・3時の位置が閉です。
インナートップの突起部は炉内へ給気する空気の温度を熱するためのHEX(熱交換)の役割です。
□2次燃焼用給気ライン
・炉内背面には、二次燃焼用の給気孔ライン19孔と、背面エアーチャンネル経由の2孔が見えます。
□灰受け
ヴィンテージの灰受けはロストルの下に内臓されています。
小さなトレイです
(灰受けトレイ寸法 W250mm×D280mm×H20mm)
ヴィンテージの「フォルム」と「灰受け」という機能を両立させるために、ギリギリまで考えた抜いた
デザイナーと設計者の心意気が伝わってきます。
小ぶりな分、取りまわしがいいんです。
■ドブレヴィンテージ 火入れ式
①薪をくべる。
細ナラ薪(120φ4分割わり 程度 長さ38センチ)4本
スギ板の木端
ライトバグ 3粒
②給気ラインの確認
給気レバーAとBを6時の位置にします。(給気 開)
③着火。
炉にかざした、ライターの火はバタツキもなく上を向いています。煙突排気系統ドラフトに異常はありません。
では、着火作業に入ります。
⑤10分もすると瞬く間に大きな火炎になりました。うんいい感じ(^^)。
⑥中薪を3本(150φ2分割わり 長さ38cm)追加し、焚きあげていきます。
⑦着火から30分もすると、天板部で*200℃~250℃度まで到達しました。
(*温度はデジタルレーザー測定器で計測)
炉内へ流入させる空気を、HEX(写真015)で高温で流入させる仕組みと
炉内4面が、肉厚のバーミキュライトで構成さるているため、炉内を
高温に保持することができ、温度の立ち上がりが早いです。
燃焼効率84.2%というスペックもうなずけます。
⑧給気レバーAを9時の位置(閉)、給気レバーBを3時の位置に操作してみます。
⑨給気レバーA・Bの操作により、瞬時に炎の表情が反応します。
エクセレント!
そして、ギアの原理(シンプルかつメンテナンス性良し)を採用したことで、
給気レバーの操作感覚はすごく精緻です。
「開」か「閉」かという二者選択ではなく、炉内で繰り広げられる『変幻自在な2次燃焼の炎のゆらぎ』を
楽しんでいいただく操作をお勧めします。
■ヴィンテージ50で もっと遊びたくなってきました。
メトスナゴヤのマスコット トントゥ君(フィンランドの森の妖精)・ポット・エコファン
いろいろ乗せてみたくなりました。
今日のアロマは「マンドレンジ」にいたしませう。
天板部温度は250℃超で巡航運転中です。エコファンは”くるくると全開”トップギアです。
ポットの湯は沸立っています。
■ヴィンテージの煙突接続方法は、天板上接続と背面後ろ接続のいずれかを選ぶことができます。
天板上接続の場合の天板の有効スペースを感覚的に見てみましょう。
Staub ココット・ラウンド鍋220φ 2個&トントゥ&1.2Lポット ※天板は緩やかな曲線ラインです。
⑪ 着火からちょうど2時間たちました。薪も老境に入っててきましたね。
(普段の感覚からすると立ち上がりと火持ちがイイように感じます)
天板温度 180℃
⑫ この感じ。ピザを焼くには最高の熾き火ですね。・・・この熾火ならあと1時間は遊べます。
ピアット&三脚ゴトクをいれてみました。
(もちろん、この後に、「ゴン太薪」を投入して、もっと暖まっていただいてもいいですよ・・。)
■感想
ヴィンテージ・シリーズには、50・35・30 3つのサイズがあります。(投入できる薪の長さを表しています)
今回は、ひと足お先に、50型のインプレッションをしました。
名前こそ、VINTAGEですがその内部構造は、進化するドブレ社、先端の燃焼技術が随所に採用されており。
『ソウ!コレなんだよ!』『コレ!こう来たかぁ!』
『ココ、こうしたらどうだろう?ドブレ社に提案してみようよ。ウン。』
ノスタルジックなフォルムとは裏腹に、ドブレの進取の職人魂に、喧々諤々。スタッフ一同興奮状態でした。
『ドブレ・ヴィンテージ徹底解剖の巻』も同時執筆中です。合わせてご覧下さい。
by メトスナゴヤ ドブレ班 カッパ組
special thanks
伝兵衛商店 Mr.高橋
ショルン Mr.西川
薪ストーブメンテナンス Mr.小野沢
■ドブレ ヴィンテージ50 基本データ
・ベルギー Dovre社製
・最高出力 11.0kw(9,460kcal/h)
・熱効率 84.2%
・暖房目安 46㎡ (日本ガス機器工業会基準換算)
145㎡ (USA基準換算)
127㎡ (EU基準換算)
・燃焼方法 クリーンバーン方式
・材質 鋳物
・扉 正面(開口W550mm×H190mm ログガード上端より))
・炉内 W560mm×D280mm×H260mm(中心部)
耐火レンガ(バーミキュライト)装備
・薪最長 50cm超
・窓 窓ガラス部 W640mm×H460mm
・背面 リアヒートシールド標準装備
・給気 外気取り入れ機能有り 給気アダプタ 外径96mmφ 内径88mmφ
・天板 天板部2重構造 天板部 平均到達温度帯 200℃~280℃
・ 天板のスペース (記事参照)
・灰受け 灰受けトレイ寸法
W250mm×D280mm×H20mm
・本体寸法 W690mm×D445mm×H690mm (肩部H=670mm)
・重量 155kg
・煙突径 150φ
・接続 上部取り出し又は背面取り出し
・色 ドブレブラック※
・価格 ¥460,000(税抜)
※ヴィンテージ50 エナメル仕様は受注輸入品です。(現在はエナメルホワイトのみ)
※価格はすべて税別です。