こだわりの30cm
春一番は吹いたが、外はまだ厚手のコートが離せない。
我が家は極めて一般的な大きさの地元にある工務店で建てた家で暮らしている。
ドブレのWDシリーズ“3匹のドブレのがらがらどん”
いまは“いちばん小さながらがらどん”がお気に入り。
煙突は吹き抜けを真っ直ぐ立ちあがっていてリビングに堂々と鎮座している。
今となってはやっぱり吹き抜けにしないほうがよかった…という話はまた別の機会に。
休みの日は朝起きて薪ストーブに火を入れる。
前日に薪ストーブを焚いたか焚いてないかで、朝の冷え込みが全然違う。
リビングに置いてある温度計が今日は15℃を指している
火を入れて扉を閉め、45分に1度くらいのペースで薪を追加する。
30cmの薪2本でおおよそ1.5kg。追加する度に部屋が2℃程暖かくなる。
3回程薪を追加した暖かさで、日中はぽかぽかと快適に過ごすことができる。
快適な温度なんて人それぞれだが、私は21℃くらいが一番いい。
薪ストーブを使っている人は、自分の住まいの快適環境をよく知っていると私は思っている。
薪ストーブは何よりも暖かい。そして過ごしやすい。
これは薪ストーブの構造や形、素材の差などあるが、“乾燥した薪を焚く”ということが
何より特別な暖かさを生み出している。
薪は一つとして同じものはない。
木は我々と同じように冬には乾燥して普段はたっぷり水分を含んでいるので、
切りたての薪と乾燥させた薪の含水率は大きく異なる。
そして薪を燃やした時の発熱量は、この含水率に反比例する。
切りたての薪の含水率は約60%で発熱量は1.6kw
乾燥させた薪の含水率は約20%で発熱量は4.2kw
大切なのは数字を覚える事ではなくて、その差を感じて欲しい。
とはいえ数字で見ると成績表のように、いかに乾燥が大切かわかってもらえるのではないだろうか。
乾燥期間が短ければ、もっと勉強しておけばよかった。と後悔するのと同じこと。
薪を乾燥させるのに必要なのは、時間と環境。
時間と環境は自分自身でどうにでもできる。
どうにかしないといけない。となれば息苦しく感じるかもしれないが、
どうにかするのが、薪ストーブを使う人のエチケット。
同じ太さの薪でも、長いものは乾燥に時間がかかる。
かといって短すぎればすごく使い難い。
薪ストーブのデザインはクラシックやモダンと様々だが、
ほとんどのストーブでも使いやすく、ちょうどいい長さが30cm。薪をくべるとき女性も扱いやすい重量になる。
玉切りにした木の運搬も30cmと40cmは全然違う、そして薪を割るときの力も40cmより必要ない。
もうひとつ重要なのが割る薪の周長、これは長くても30cmまで。
これだけこだわって作った薪は乾燥も速く、誰でも使いやすい最高の薪になる。
薪のこだわりは30cm