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暖炉・薪ストーブコラム『炎の伝道士、かく語りき』

第14回:ブッシュドノエルはカシワの木

イラストハロウィーンを過ぎるとクリスマス一色に様変わりする。街にはクリスマスキャロルが流れ、街路樹にはイルミネーション、洋菓子屋には、いくつものクリスマスケーキが並びウィンドーを飾りだす。そのなかで目を引くのが、切り株の形をしたブッシュドノエル。フランス語でブッシュは薪、ノエルはクリスマス。このケーキは文字通りクリスマスの薪という意味である。

キリストの誕生がいつなのかという記録はなく、夜がもっとも長い冬至の日を誕生日にしようと話し合いで12月25日と決められたらしい。星は暗ければ暗いほど輝いて見える。世の中が暗く、闇が深いときこそ、真の救いの手がやってくるというメッセージが込められているようである。

北欧ではクリスマスをユールという。ユールが近づくと暖炉で燃やすための木を伐りだし大きな特別な薪を準備する。そして、ユールの日から東方の3人の王様がキリストの誕生を祝い贈り物を贈りに来た日とされるエピファニー(1月6日)までの12日間毎夜、暖炉に火を燃やし続け、ハーブをいぶり煙を出すことで魔除けをし、灰で厄除けをしたりする習慣がいまでも残っている。この特別な薪はユールログとよばれ、ブッシュドノエルの原型であるとされている。ユールログは、カシの木やカシワの木が使われ、ゲルマン人のあいだでは、カシワの薪を暖炉で燃やすと無病息災にして平穏に暮らすことができると信じられている。

カシワは日本でも縁起のよい木である。落葉樹ではあるけれど、枯葉が次の若葉が出るまで残っていることから、子孫繁栄の象徴となっており、端午の節句の柏餅に用いられている。また、食べ物を盛る器として使われたことから「炊(かし)く葉」といい、カシワとよぶようになったといわれている。カシやカシワは、庭木としても好まれ、「カシはあってもカリはない」と家の繁栄を願い植えられていた。

今年のクリスマスは火持ちも良いカシやカシワを燃やしてみてはいかがでしょうか。年の瀬が来る前にカリは早めに返し、気持ちよく「ハッピーニューイヤー」といきたいものである。

イメージ 著者紹介
著者:岩崎秀明
株式会社メトスが誇る、炎の伝道士。
豊富な知識とこだわりを持って、暖炉および薪ストーブの普及に励んでいる。

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